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そんなnewsは犬も喰わない

犬も喰わないnewsの数々に斜め横からアレコレ

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「国家の品格」を読んでみた 

【あらまし】 話題の新書「国家の品格」を読んで思いついたことをアレコレ記述。主にエスキモーの話にツッコミを入れている。また掴み(?)ではイタリアの学芸員「チビタ」氏をネタにし、オチではサッカー日本代表に言及。一応全体を「サムライ」ネタでまとめてみた。
【キーワード】 [チビタ][サムライ][国家の品格][ピンカー] 話題の新書「国家の品格」は売れまくっているらしいのですが、書評や感想をチラ見すると好意的には受け止められていない様子。私も以前オトンに「読め」と言われたのですがガン無視してました。

なにせ「国家というのは品格が大事」「論理とかどーでもいー」「武士道を復活しよう!」みたいなトンデモ本と宣伝されてましたからな。

で、読んでみたら確かにその通り(笑)だったのですが、まあオモロイというか勉強になった点もありましたわ。たとえば「バラモンには貧乏人もいる」とかね。

んー、武士道ねえ...。あ、すみません、ここで一つ小ネタニュースを。一応このブログはニュースブログなんで(←エエーッ!)。

「ローマ共同」のニュースから引用。

武具コレクションで有名なイタリア・フィレンツェのスティベルト博物館所蔵の日本刀三十点が、約三十年以上前に偽物にすり替えられ、誰も気づかないままだったことが、同館の調査で分かった。ANSA通信が十二日、報じた。

フザケンナよ!と思いますわな。中世から近世にかけての名刀三十点が無価値な刀とすり返られていたそうな。これだからイタリア人は...次はイタリア抜きな!といいたくもなるわ。

で、なんでわかったのかというとこういう事情↓だそうで。

060617_01


赤傍線は私が付けました。チビタ...。つまり今「チビ太」はイタリアにいて学芸員をやっていると。しかもGJであると。こんな感じ↓でしょうか。

060617_02


ま、それはそれとして。話を「国家の品格」に戻しますね。

うーん、基本的に「見たいことだけを見て言いたいことだけ言っている」類いの本であることは間違いないと思います。ただ出だしでそういう点について断わっているので、それを責めるのもナニかな、と。

もっとも、いちばん身近で見ている女房に言わせると、私の話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷とのことです。(p.11)

御本人は上に引用した部分について「私はまったくそうは思いません」と書いてはおられますけどね。客観的事実としてこの本の主成分が「誤りと勘違いと誇張と大風呂敷」であることを証明するのは容易いんじゃないかな。

ですが、ただちょっとシンパシーを感じるところも私はあったりします。明記してませんけど Sapir-Whorf hypothesis に基づいた、というかウォーフが喧伝した通俗的学説(?)風言語観をお持ちのようにみえる点とかね。で、シンパシーは感じるのですが...(涙)。

人間というのは、何かに対して感性が研ぎ澄まされていると、必ずそれを言語化する生き物です。例えばエスキモーの間では、雪に関する言葉が百以上あると言います。東京でも、牡丹雪とか細雪とか粉雪とかドカ雪とか、色々あります。新潟へ行ったらもっとたくさんあるでしょう。それでもエスキモーほどではない。だから、雪に対する感性では、日本人はエスキモーに負けてしまう。(p.103)

なんつーか、スティーブン・ピンカーなんかが聞いたら哀れみの微笑を浮かべつつコテンパンに論破(笑)してきそうなことを言ってますけど。まー、数学者だからなー。

オイラはサピアのファンなのでこういう人を見るとスゲー複雑な気持ちになります。一応コッチ陣営(?)なんだろうけど墓穴掘りまくりというか、揚げ足晒しまくりというか。

一応何がマズイのかも書いておきますかね。長いですけど引用します。ピンカーは「言語を生みだす本能〈上〉」でこんな風↓に言ってます。

 人類学的流言に触れたところで、「イヌイットの語彙の大嘘」も紹介しなければ、言語と思考についての議論も完璧とはならないだろう。一般に、イヌイットの言語には英語よりたくさん、雪を表す単語がある、と信じられているが、これは事実ではない。雪を表す語が四〇〇以上あるという説が活字になったこともあるが、四〇〇どころか、二〇〇、一〇〇、四八、九、すべて事実に反する。二つしかないとしている辞書もある。もう少し寛大に数えても、せいぜい一ダースである。それなら英語もたいしてひけはとらない。雪、みぞれ、半解け雪、地吹雪、なだれ、雹、根雪、粉雪、ぼたん雪。ボストン、WBZテレビ局の天気予報キャスター、ブルース・シュウェグラーが作った、「くしゃみ誘い雪」もおまけにつけておこう。
 こんな大嘘はどこからきたのだろうか。シベリアからグリーンランドにかけて話される多総合的言語、ユピック、イヌイット=イヌピアック両語族を実際に研究した人が発生源ではありえない。人類学者のローラ・マーティンの追跡調査によると、この話はまるで都市伝説のように、伝わるたびに大げさになっていった。まず、一九一一年にボアズが何気なく、イヌイットは互いに関連のない語根四つを使って雪を表す、と口にした。ウォーフが語根の数を七つに増やし、もっとあることをほのめかせた。ウォーフの論文はあちこち転載され、ついで、言語についての一般書や教科書に引用されるようになった。その後は新しい教科書、論文、新聞の「びっくりデータ」風のコラムなどでイヌイットの言語を取り上げるごとに、数が増えつづける。(pp.85-86)

えー、藤原正彦先生超ヤバイ。上の引用箇所に続けて、言語学者ジェフリー・プラムの「イヌイット語彙の大嘘」というエッセイをピンカーは紹介しています。プラムはこうした都市伝説的な話が一人歩きした原因について「イヌイット(エスキモー)を異様で奇怪だと見下げる人々の興味を引いたからだ」としているらしいです。どうなんですかね。

なんつーのか、教養の大切さとかそういうことも書かれていたと思うのですが、どー考えても通俗一般書のレベルを出ていないというかなんというか。基本的に知識が古い感じはするなあ。

いや、別にだからどーというのではないのですけどね。「品格」ねえ...。

あと武士道についての話もねえ...ちょっとどうかと思う部分もあるなあ。

たとえばですね、新渡戸稲造先生とか内村鑑三とかのことを「下級武士」の息子として生まれ...みたいに書いているのですよ。「下級」ねえ。上級武士と下級武士の基準ってどう考えているんだろう。

別に武士がどうのとか武士道がどうのという文脈じゃなければ禄高の低いのが「下級」で良いのですけどね。判別に使う表現としては。

でもさあ、「武士道精神」がどーのと語って「金銭よりも道徳を上に見るという日本人の精神性の高さ(p.118)」とか言ってるその舌の根も乾かないうちに「下級武士」だぜ。禄高で分けてる=金銭の過多で判別ってことじゃねーの?矛盾してね?

ま、論理とかどーでもいーと言っているからこれでも良いのかもしらんが。

というか、「私にとって幸運だったのは、ことあるごとにこの『武士道精神』をたたき込んでくれた父がいたことでした(p.126)」って書いてあるんですけど、藤原正彦先生や父君の新田次郎氏は士族なの?それについては全く書いてませんよね?どーなの?自明すぎるから書いてないの?

でも、もしそうじゃないんだったら西風マンガでいうとこういう気持ち↓なんだけど。

060617_03



なんだかね。「武士道精神」っていうのは一応藤原先生の妄想ってわけでもないような書き方がされているみたいで、なおかつ御自身は習得しておられて、あげくの果てに他人にお勧めまでなさっているようなのですが、どーにも信じられないなー、と思った。

武士道精神とやらを体現している人はこんな新書をこんな風には書かねーんじゃねーかなーと思えてならない。

どうしてそう思うのか理由は書きませんけどね(←また放りっぱなしかよ!←うるせー!)。

とはいえ、この本に賛同する人が増えて「ビンボは恥ぢゃないよ!」というのが広まればビンボな私には生きやすい世の中になるだろうなあ、ガンバレ藤原先生!と思わなくもない。

あー、で、話が長くなったので唐突にサッカーW杯日本代表について。えーと、なんですか、誰が決めたの?あの「サムライ・ブルー」とかいう氷点下40度級の呼び名。

いちおう日本サッカー協会とかhttp://www.samuraiblue.jp/あたりを眺めてみたりググったりしたけど出て来ないなあ。犯人...じゃなくて命名者とかそういう感じのは。

なんだかね。今後代表チームがどういう戦いをするのかわかりませんけど、オーストラリア戦だけについて言うなら、もうね、反サムライキャンペーンですよ、これ。

ラスト サムライ」とかのおかげでサムライのイメージがupしているところにコレですからな。何か恨みでもあるのか?と聞きたい。

このままクロアチアとブラジルに惨敗なんかしたらもうジャギとかアミバ級の逆宣伝ですわ。

で、別に選手が自称しているわけじゃないんだろうから選手を責める気はそんなにないんだけど、このキャンペーン(「サムライ・ブルー2006」とかいうのね)を企画した奴は「意識があるまま野犬(複数)に内臓を喰われながら氏ねばいい」と言いたい。言わなくてもいいけど。

んー、ま、余計な話ではあるんだけどさ、ひとつだけ言っておくとサムライのサムライ性を形成する重要な要素としてさ、「情報」の保持と伝達みたいなものがあるんだよね。たぶん。

なんつーのかなー、正式なサムライっていうのは基本的に一時代にヒトリなわけですよ。例えば「犬桑家」というのがあったとして、ある時代にはそこの「犬桑孫左衛門忠直」みたいな固有名の人がサムライやってたとするじゃないですか。

で、この人以外の犬桑家の同時代人っていうのは男子は補欠だし女子はサポーターみたいなもんなんだよね。孫左衛門が引退とか死ぬとかしたら即座に別の男子が家督を継ぐというか名を継ぐというかそういう感じになるわけですよ。そういうのが延々続く。系図(?)は基本的には一本道なんですな。網の目みたいには広がらない。

そうするとですね、個人の生死はあんまり重要ではなくなってくるわけですよ。「私が死んでも代わりはいるもの(by 綾波レイ)」って感じ。

サムライは生死よりも名誉を重んじる...と簡単にいう人がいるかもしれないけど、色々留保が必要なんだと思うのですよ。「家/個人」という二項対立もちょっと成り立たないというか。

なんつーんですかねー、ある代の犬桑さん(上の例でいうと犬桑孫左衛門)に加えられた物理的ダメージは代替わりでチャラになるので、考えようによってはサムライには物理攻撃は効かねーってことです。

更にいうと代替わりしながらリレーされていくのでフツーにいう寿命にも制限されないわけです。ある意味半不死。物理的身体を乗り換えて生き続ける情報生命体みたいなもんですな。

そんなわけで、そういう存在が何を一番恐れるのかっていうと「不名誉」ですよ。「不名誉」っていうのは情報につけられた傷です。

犬桑孫左衛門が卑怯極まりないことをやらかした上に死んじゃったとしますわな。物理的ダメージは次世代の犬桑さんには継承されませんので平気ですが「不名誉」という情報ダメージは未来に向けて残留する上に過去に遡って汚染していく大変なシロモノなわけですよ。

そんなものを喰らったヤツというか担当者というか物理的身体の責任はスゲー重い。一旦喰らった「不名誉」という傷は基本的には消去できません。かなりの犠牲を払って目立たないように出来るだけ。

だから「不名誉」を喰らわないように細心の注意をするわけです。喰らいそうになったときに、もし自身の死でもってそれを回避できる可能性が僅かでもあれば問答無用でそっちに飛びつきますがな。

なんというかなあ、「名誉を重んじる」っていうのは崇高なナニソレっていうよりは極論すればある種の論理に基づいた「打算」というかそういうものなんじゃね?と思います。

さて、話は微妙に戻りますが、今回の日本代表チームはもの凄く不名誉な「傷」を負ってしまいましたよね。オーストラリア戦で。

「不名誉」とは何か、って定義は常に曖昧なのでそこに逃げ道もあるといえばあります。でもサッカー日本代表のアレが「不名誉」かどうかに関しては議論の余地もないのではないかと。100%確定ですな。

大体ルールもよくわからんで見てたニワカ(例:ウチの両親とか)でさえもものすごい精神的ダメージを受けてたからなあ。あのチームが「日本」代表であるせいで「日本」人繋がりなだけの人達にも呪いのように精神汚染が浸透していっているわけです。

あー、なんか結局まとまりませんでしたが、テケトーにエールを送っておくことにしますわ。

日本代表さん!ガンバッテ!もーどーにもならんかもしれんけど!
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[ 2006/06/17 00:00 ] 文化・芸術 | TB(0) | コメント(-)
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